幼いころ、知り合いが新潟の谷浜海岸で民宿をしていたので、夏は毎年従妹達と２泊３日で海水浴に連れて行ってもらいました。高速道路はまだ無く、８号線を走っていくと急に視界が開けて海がドーンと広がり、開けっ放しの窓から磯の香りが車内に充満し、「あぁ～海に来たんだなぁ」と心が躍ったのを覚えています。昼は遊泳ネットのない海で沖まで遠泳したり、テトラポットから飛び込んだり、カニや魚をつかまえたり、砂の城を作ったり、夜は浜で花火をしたりして思いっきり海を楽しみました。宿は、表は国道８号線、裏は狭い庭を挟んで線路に囲まれていて、夜は国道を走るトラックと線路を走る貨物列車の音と振動がすごく、ここで眠れるのかなと心配ましたが、遊び疲れてそんな音や振動も心地よい子守唄のようで、いつのまにかぐっすりと眠ってしまいました。そんなある日近くの港から小さな釣り船で知らない浜に連れて行ってもらいました。そこには黄、オレンジ、赤、青、紫、緑など色とりどりの長さ５ｍｍ位の巻貝があたり一面に打ち上げられていて、夢中になって拾い集めていました。これが海に行くと貝殻を拾うようになった始まりだと記憶しています。
大学時代は富山で過ごし、海が近かったためウィンドサーフィンを始めました。いたため、背中はぼろぼろになり、結構色白だった背中はそばかすだらけになってしまいました。そんなボードを車に乗せたままゴールデンウイークのころには深夜満潮のころを狙って与方の海に出かけました。運がいいと波打ち際から浜が青白くピカピカと光っています。ホタルイカです。遠くまでずっと青白い光が続いている光景は幻想的でした。
また秋には能登半島の増穂が浦に出かけました。やはり運がいいと波打ち際の浜が２ｍ位の幅で遠くまでずっとピンク色に染まっています。サクラガイです。ピンクやオレンジの二枚貝でこの時期はまだ貝殻がはがれずにくっついていてとてもキュートです。幻想的な光景ですが、たまにしか行けないので日の出から暗くなるまでずっと貝殻拾いです。拾った貝はきれいに洗浄しずっと暗いところに保管していましたが、開業にあたりクリニックに展示するようになりやっと日の目を見ています。
仕事を始めてからは年に一回夏休みに南の島に旅行に行くのが楽しみでした。ダイビングの免許を取得して、パラオ４回、モルジブ４回、ロタ島、フィリピン３回、オーストラリア、サイパン２回、マレーシア、石垣島、宮古島などに行きました。もともと朝は弱かったのですが、この時ばかりは朝日が昇る前に浜に出かけて貝殻拾いをして、昼はボートでダイビング。海の中は静かで神秘的で、多くの生き物やきれいなサンゴに癒され、帰ってくるとまた日が沈んで見えなくなるまで貝殻拾いをします。至福の時間でした。最近では温暖化に伴いサンゴの白化現象が進み、魚影も以前より薄くなってしまったようで残念です。
近年は沖縄本島でいろいろな浜を回って貝殻拾いをしています。沖縄で拾うのは主にタカラガイです。以前は地図を見ながらレンタカーでいろいろな浜を探して廻ったのですが、Ｇｏｏｇｌｅ　ｍａｐが登場してからは、今まで知らなかった浜をたくさん発見できるようになり、潮の満ち引きを計算に入れて、崖を降りたり、つるつるに滑る岩場を歩いたり、わくわくしながらちょっとした冒険気分で新しい浜を開拓しています。
現在クリニックには自分で拾った貝殻や、世界の珍しいタカラガイなどを展示しています。お時間がありましたら是非お立ち寄りください。

最上整形外科クリニック
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診療科目 : 整形外科・リハビリテーション科
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